ある問題を抱えた家族の絆を、スタイリッシュな文体で軽やかに綴った伊坂幸太郎の同名ミステリーを実写映画化。連続放火事件の現場で見つける、グラフィティアートの謎を追う兄弟が、やがて家族の過去と向き合っていくさまを軽妙かつエモーショナルに描く。 …

伊坂幸太郎原作の映画を数多く手がける、中村義洋監督による所謂パズル型ミステリー。複数の時系列の物語を通して、とある奇跡を文字通り『フィッシュストーリー(ホラ話)』として軽やかに描く。 映画内でも暗示的に表現されるが、オウムや大震災などに顕著な…

人気作家・伊坂幸太郎のベストセラーを金城武主演で映画化。一風変わった死神と、人間との奇妙な交流を綴る。本作は、伊坂幸太郎の小説を元に細かい変更を加え、様々な人間との交流に、一本の流れを作っているが、なるべく伊坂幸太郎の雰囲気を忠実に再現し…

主人公オ・デスは、酒癖は悪いが娘思いの、普通のサラリーマン。ある晩、彼は突然拉致されホテルの一室に監禁される。監禁部屋のTVでは、主人公の妻は殺され、主人公が容疑者になったことを告げるニュースが流れている。混乱と疑問を抱えながらも体を鍛え、…

実際に起きた連続殺人事件を、急速に進む都市化と、同時に起きる郊外化によって思い出の場所や共同体が瞬く間に知らない場所へと空洞化していく風景に溶けこませ、さっきまで隣に居た人間の正体がわからないという不安を描いた、オールタイムベスト級の傑作…

ミステリーとも、社会派とも、家族愛とも、どれもこれも空かされて小説の神様(作者)を意識させない、伊坂らしい映画的エンタメ。軽妙で洒落た会話で最後までするっと読ませられちゃいました。こういう文体は村上春樹チルドレンの部類に入るんですかね。ただ…

消費者金融/カード破産といった社会問題をテーマにしたミステリー。それを社会問題といった目線で描くだけでなく、犯人が朗々と社会問題という名の自分語りをしたりせずに、背景にある人間像を一人の女性に関わった様々な人間の人生から見通す構成が見事。そ…