the GazettE / DIVISION

DIVISION

ガゼットって最初はそんなに気にしているバンドでもなかったけど、ここ数枚割と好印象だったりして、DIVISIONも期待。
今回はコンセプチュアルな二枚組みたいなので、少し緊張するんだけど。大雑把に分けると、コンセプトとしてのヴィジュアル系って感じのVEINと、前にHIPHOPを導入した時みたいな、今やってみたい楽曲的アイデアをぶち込んだARTERYという感じ。そのどちらを聞いても骨格にはガゼの癖みたいのが残ってて、どちらもまさにって感じする。

VEINの方はメリーとナイとメアが交互にやってくるヘドロとか、えっ前も聞いた気がするんだけど新曲なの?歪、辺りが好き。
圧倒的に好きなのはARTERYの方。ぱっと気になる所を書き出せば、ダブステ、デジロックとかエモ、またでたディルにSADS
ちょっと昔のUS R&B系シンセの音色とか、オートチューン声みたいなのが全編に渡って施されていて、聞きようによってはK-POPみたいになったーって聞こえるかも知んない。その音色の使い方がイントロとかソロとかではダブステでよくやるアレンジやって、それなりにヴィジュアル系の中では独特に聞こえて、それ以外の所はマッドカプセルマーケッツというかベタなデジロックみたいなので、MUSICの頃のGilgameshみたいな。あとは何度も出てくる、サビ後の転調がやたらこなれてる。
やっぱ最初のDERANGEMENTが、おっダブステっすか?ってなって。いやまあイントロですぐ終わっちゃうんだけど、ワクワクするよね。モー娘の恋愛ハンターと同じ仕掛けよね。
この中だと一番色んなジャンルのフレーズとかアイデアがぽんぽん入ってるREQUIRED MALFUNCTIONなんかカッコイイ。ドラムンと思わせてUSコアと思わせてデジロックと思わせてガゼットって感じで
DRIPPING INSANITYも上に上げたようなキーワードが、何度も出てきて、気づいたらまた前のディルみたいになってるって感じ。
ATTITUDE、最後のサビで2stepになって、テンポダウンして、すぐ裏打ちになる、サビの三段活用がカッコイイ。裏打ちの所からもう早めにシンセのフレーズ入っててもいいかな。意外とゴチャゴチャしないように、パキッと構成と音色セットで分けてるんだよね。真面目。
GABRIEL ON THE GALLOWSが一番TOXICみたいかなあ。というかSADSっぽいのは。

どの曲もどんな音で鳴らした所で、曲の幹にある節は変わらず。構成に影響を及ぼしているわけだから、面白くなったなあと。色んなバンドに影響を与えたと思うラウド&メロディアスなガゼット節から比べると、決してシンプルではないけども、楽曲構成とかアイデアの散りばめ方のセンスで、飽きさせない方向に行ってるのがいい。つまりメロディもアイデアの一つになって、曲全体で聞かせてるってことなのかな。R&Bが流行ってた頃のビルボードとか、全盛期のK-POPだってそういうのでやってたし。ヴィジュアル系だって別にカッチリとルールが決まってる訳じゃないから、そういう構成とジャンルはごっちゃにして語れませんね。

つうか初回版、デカイ重い。ヴィジュアル系ブーム全盛期の頃の、豪華な初回限定をどう恥ずかしくなく家まで持って帰るのかって悩みを思い出すよ