しあわせのかおり / 124分


しあわせのかおり

お腹が空いたので、料理映画として全然良かったんじゃないすかね。野菜を切る音、肉を炒める音、鍋を操る金属音、それを食べる音など、料理の音が美味しく、見ていて食欲が沸いてくる。そして調理場独特の雰囲気を自然光が照らすので、他の料理映画に比べ、独特の雰囲気がある。全体のトーンとしては、たっぷり間をとる、カモメ食堂や、めがねのような、ロハス系癒しや自分探し女が鼻につくんだけど、病的な中谷美紀が上手いこと中和している気がします。彼女の過去が明らかになるまでは、映画のトーンと合わない痩せ過ぎの中谷や不安定な目線が、癒されると言うより怖い。料理シーンを丁寧に描く為に演出プランを間違えたのかと思った。役者さんは概ね与えられた役をキッチリこなしていると思います。話は若干退屈で、気になる部分が殆どスルーされてしまうのが気になりますが、細かいことを除けば、特に大きい破綻を見せるわけでもなく、料理と家族ね、はいはい。という感じ。わざわざ見る程の何かは無いけども、料理映画が好きなら、おいしい中華料理が見れます。