ヤッターマン / 111分


ヤッターマン

これはヒドイ。ヤッターマンを汲み取った三池の、一周して褒めたり貶したりするのが嫌になる下らなさに、多くの感想と同じく馬鹿負けした。そういえば映画秘宝のインタビューで言ってたんだけど。ガッチャマンの映画化の打ち合わせをしている席で、逆にヤッターマンを推薦したらしい。

うーん、これ感想つっても好きなシーンの羅列とかにしかならないなぁ。大体この映画の9割は執拗なフェティッシュ表現と、メタギャグと、うんこちんちんが占めていて、ロボットが発情する最低のシーンなど、フェティッシュ表現とうんこちんちんは抜群なんだけど、メタギャグは所謂80'sギャグの価値観ではなく、00's的な小劇場ノリのギャグのテンポ(ワンテンポ止まるツッコミみたいな)で、それが好き嫌いが分かれるんじゃないかなと。その役割は 2009年の人間の目線=観客の代弁者という形で、唯一のオリジナルキャラクターを演じる岡本杏理が演じるんだけど、彼女が三池におもちゃにされればされるほど、面白いのだから皮肉だ。岡本杏理でいえば桜井くんに蠍の毒を取ってもらう、話に全く関係ないシーンとラストのこれまた必然性の無い恥ずかしい格好が見所。

見所と言えば、ボヤッキーの台詞「全国の女子高生ファンの皆様」の映像化。これは完全に頭が狂ってる。おそらくだが、名シーンだ。ちなみにボヤッキー演じる生瀬のシンクロ度はパない。ケンコバのトンズラーは普通に良く出来てるけど、それより出てくるたびにゲロ吐くのが何度見ても笑った。

そしてかなり引っ張った感があるが、何だかんだ言ってヤッターマンドロンボー一味のアニメで、この映画は深田恭子の映画でしょ。彼女が好きな人もそうでない人も、この映画におけるドロンジョは必見。深キョンが所狭しと暴れ周り、衣装や表情をくるくる変えるだけで、もう1800円分、元取ったと言える。深キョンのシーンは瞬きせずに頭に焼付け、小学生は家に帰ったらまず、ちんこの火照りと今後一生共存しなくてはいけない自分を、どうぞ嫌いにならずに抱きしめて上げてくれ。どうも下妻物語辺りから深キョン甘ロリというイメージがあったが、ちょっと認識を変えなきゃいけない。甘ロリ深キョンがカワイイんじゃなくて、(映画の)深キョンがかわいいんだ。この子と松山ケンイチに日本の映画界は感謝すべきだ。嫌、もっとだ。彼女が異端であり深キョンを受け入れているのは奇跡としか言いようが無い。仮に、杉本彩辺りが再現度でいえば妥当なのかもしれないが、杉本彩にこの異常なまでの虚構性を生むことが可能かというと、やはりそれはリアルでしかなく、似てりゃいいってもんじゃない事が伺える。
ああ桜井君と福田沙紀のこと書いてないけども二人ともかなりいい。


最後になるが、その他の気になったポイントを話しておけば。脚本が少林少女の人なんだけど、奇跡的に大事故を起こしていない!これはアニメ監督出身の血が良い方に向いたか!?
もう一つ、メカ&キャラクタをデザインした寺田克也を始め、衣装、背景などの世界のデザインがいちいち素晴らしい。正直密度が濃過ぎて胃もたれしそうだけど、この過剰さ…悪くない!でもうんこちんちんと深キョンで2時間は流石に飽きるゼ!!


竜の子プロジャニーズ事務所などの障害を乗り越え、実写化のハードルをなんなく飛び越えてしまった三池監督。あんた絶対頭おかしいよ!