斬-KILL- / 82分


斬-KILL-
刀・チャンバラをコンセプトに、4本の監督が短編アクションを撮ったオムニバス作品。まぁまぁ楽しめたけど、想像に一番近かったのは一本目のキリコ。面白かったのは、こども侍。好きなのは妖刀射程、押井は問題外。
まずは、この間紹介したTHE MASKED GIRL 女子高生は改造人間を作っているNeo Actionで水野美紀を主演にハード・リベンジミリーを撮ったり、押井のオムニバスシリーズでその手腕を振るっている辻本貴則のキリコ。Neo Actionのやつといっしょで、やりたい事が明確でそれを特に掘り下げない。潔く「Blood the Last Vampire」や「キルビル」のコンセプトをそのままセーラー服と刀でありえない殺陣を見せる。水野美紀も出てるよ☆
二本目は深作欣二の息子、深作健太のこども侍(欣二の子供みたいな)。正直これが見ていて一番面白かった。チャンバラ活劇を、真っ向から演出してるんだけど、それを子供といじめの話に置き換えると、作品に深みが出てくるから不思議だ。バトル・ロワイアルで中学生同士の殺し合いを撮っていた人間が、小学生に切り合わせるパロディにもなってるし。馬鹿げた設定なんだけど、妙にジーンときた。侍の仁義って、子供の友情の範囲だとガチに見えるんだね。
次の妖刀射程の監督、田原実は、幽撃手っていう映画を最近撮ったらしいけど、正直よく分からない。新人なのかな。これも好き。これは新しい武器がカッコいいだけなんだけど、それがホントカッコいいのでいい。チャンバラというか殺陣はこの作品が一番だった。武器が新しいので、新しい型とかアクションの想像を膨らませてアメージングな殺陣をどんどん作っていって欲しい。
最後は押井守。なんかこれが一番よく分からなかった。世界観とは名ばかりの雰囲気のみで、カッコつけては見たものの…殺陣もダサいしCGも押井特有の違和感がある。う〜ん挙がっちゃったおっさんは、こんなもんでいーんだ。押井が金集めて、若手に経験をつませて、自分は頭を使わず、申し訳程度の趣味でお茶を濁すと。