KIDS / 109分


KIDS
傷を移動させる力とか、ドリカム状態の三人が、受けた過去の傷ゆえ町を離れられないとか、家族の問題を擬似家族で代替する所とか、上手くすれば面白くなったのかも。うーん…所詮BLアイドル映画なのかなぁ。


まず、町が荒廃しているという台詞がそこかしこに出てくるが、単なる郊外のニュータウンにしかみえなく、ニュータウンでナイフやバットを振り回すヤンキーはギャグ以外の何者でもない。それ以前に、山が傍にあったり、海沿いだったり、どうやってロケハンしたのか知らないけど、めちゃくちゃ過ぎる。全くシーンごとのイメージが繋がらなく、ひとつの町だとはとても思えない。次に栗山千明が常にマスクをしている違和感への配慮ってのが全く無いので、男二人のスタンスのとり方などが不明瞭。そもそもいたりいなかったりするので、栗山千明が都合のいい舞台装置に見える。それとよくあるパターンなんだけど、小池徹平の超能力がシーンによって都合よくぶれるので、いっその事、傷の移動だけでテレキネシスを使えない方がいい。ヤンキーだったり爆発しそうな車だったり、なんで使わないの?っていうシーンばかりでもやもやする。傷で言えば、途中まで重要そうに見える傷が、結局誰の顔にも付いていなかったりして、あの傷はどこいったの?と、一事が万事このありさまで、全体的に複線のように見えるものはまず、回収されない。一度画面上で扱ったら、そのあとも気を使おうよ。それから最初から最後まで、やたらめったら音楽がなってるんだけど、単純にうるさくて台詞が聞き取りづらい。最低限、重要な台詞のシーンは音が小さくなるなんて基本だろ。音が過剰なら、その分物語の起伏を感じるのかと言えば、メリハリが無いので音の効果そのものが弱くなってる。それって本末転倒っていうよね。そんで、こういう細かいこというの嫌だけど、公園を直したら直後に子供が数十人わーいって入ってきたり(そもそもなんで公園を直そうとしたのかよく分からん)、どうやったらそうなるのか分からない変な玉突き事故は、完全にギャグ(というか、小池君がやったようにしか見えないんだけど)。このように、作りが杜撰な癖に心情の描写を雰囲気で誤魔化すもんだから、所々で何でそういう行動をとったのかが分からない。あーあと、時々出てくる泉谷しげるって何?
なんかしながら、ついでに見る程度ならいいけど、しっかり画面から眼を離さずに見ていると、不思議なことが多すぎて、頭が混乱してくる。