レミオロメン / HORIZON

2nd｢ether｣より1年2ヶ月振りとなる、待望の3rd｢HORIZON｣。2ndでストリングスや鍵盤の導入により、多彩なアレンジを纏ったレミオロメンによる、新たなサウンドスケープ、文字通りHORIZON(地平線)をが見えるようなアルバム。過剰なオーケストレーションやプログラミング等といった、より大胆な作風の変化は、プロデューサー小林武史の手による物のようだ。そのせいか今作は、同事務所の先輩Mr.Childrenと比べられている(ストリングスのスケールや音色が、ミスチルと一緒に聞こえる)。実際、一聴して小林のアルバムという事は分かるが、レミオロメンである必然性に乏しく感じ。スピッツとミスチルとバンプをいっぺんに聴いたような過剰な満腹感が後に残る。とはいえ、ジャパニーズ･ミュージックシーンを支えてきた、敏腕プロデューサー小林武史。アルバムのトータルバランスが非常に優れていて、あれだけTVで流れていた「こなぁぁ〜ゆきぃ〜」に、他の曲が負けてない(とは言え、シングル曲の殺傷能力は、やはり凄まじいのだが)。スリーピースバンドの音では無くなってしまったが、その殆どを鍵版やストリングスに委ねた為、POPに振り切れていて、それがより一層歌を際立たせている。決して「Rock」な曲が無い訳ではなく、凝ったメロディや変わったアレンジのような、例えばくるりのような要素も在るにはあるが、そう言った印象ばかりが残るのは残念。聞く人や場所を選ばず、明確な捨て曲の無い、良いアルバムである事には間違いないのだから。今までずっと支えて来たファンは、これからも応援し続けて上げて欲しいと思います。