LAST ALLIANCE/DAZE&HOPE

DAZE&HOPE時は2002年。ハイスタ擬きのメロコアバンドが幅を広げるシーンの中、独自のエモーショナルかつメロディアスな楽曲を書くex-S★CREATERSのVo,G安斉龍介、Dr小澤浩史と、独創的な世界観を宿したex-BERMUDAのVo,B松村孝彦、Gの佐野森吾によって結成されたLastAlliance。二つとも元々、メロコアから一線を画していた為、シーンと上手く噛み合わず、大人気の両バンドが合体!とは、お世辞にも言えなかった。LIVE会場でも、悪くないけど曲が途中で終ってる感じがして、今ひとつ微妙。などと言う声を耳にした事もある。ラスアラ結成後、無料配布や、500円シングルの発売と、精力的に活動するのだが、2003年発表の1st「TEARS LIBRARY」は正直、「1+1=2」という印象で、残念に思ったのだが、しかし、2004年に発表したMaxi「YGサービス」で、今までと違う楽曲アプローチを見せつけ、大きなインパクトをうけた。そして、インディーズチャート初登場7位を記録した、渾身の2ndアルバム「UNDERGROUND BLUE」は、シングルの世界観、新しいタイプの楽曲の彩りに、ツインボーカルが絡む、Last Allianceサウンドとしか呼びようのない、オリジナリティ溢れた傑作だった。その後、自主イベント「UPRISING」も、大成功を収めている。

そんな彼等の待望の5th Maxi Sg「DAZE&HOPE」!人気のある時間帯での初タイアップ、日本テレビ系アニメ「桜蘭高校ホスト部」のEDを任される。タイアップなのだから、最もLast Allianceらしい楽曲を選んでくると思っていたのだが、これが全く新しいタイプの楽曲。過去最高にポップなM-1「疾走」、これは賛否両論だろう。「アニメタイアップでラスアラがセルアウトした」と、アニメのEDといったバイアスで、差別するであろうメロコアマニアが、出てきてもおかしくない。実際、Last Allianceと知らずにイントロだけを聞いて「?」と思ったが、ANZAIの声が入ってきて、更にサビ前でコーラスと絡み、サビで異常にコードを落す展開に、驚いたものだった。この新しい試み、個人的には大賛成、本人達が誰よりも揶揄される事を想像していただろうが、今までのサウンドに立ち止まることなく、挑戦し続ける姿勢には脱帽する。幅が増えただけでなく、今後のアルバムにも影響を与えることだろう。そしてM-2「Fly again,hero」、楽曲的には、一番良かった。それはツインボーカルの絡みに拠る所が多く、様々なメロディーの断片が矢継ぎ早に放たれる速射砲のようでありながら、キャッチーさを併せ持つアレンジが心地よい。何となく、本人達はこちらをシングル用に書き下ろしたのではないか、と思った。次は、元々LIVEで披露していた、ファストコアナンバーM-3「一刀旅団」これは兎に角、聞いて見てくれとしか言いようがない。最後は、エスクリ&バミューダや1st好きにお薦めする、エモーショナル&メロディアスなM-4「One drop of tear」。4曲とも、非常にバラエティ豊かで、過去から現在、そして未来までも垣間見える、挨拶代わりに最高のマキシだ。前に出している「Re:frain」もカッコいいので聞いて欲しい。今後も、期待を良い意味で裏切り続けてくれるLast Allianceに大注目。