『放送禁止2―ある呪われた大家族―』03年6月7日 27時10分。冒頭、前回のような怪しい雰囲気が払拭されているが、徐々にサスペンス、そして心霊モノと目まぐるしく展開するストーリーは新しいフェイク･ドキュメンタリーの方程式を作った。
お茶の間の定番である、大家族ドキュメンタリーの撮影途中に家族のドメスティック･バイオレンスが発覚していく展開は今後、現実に大家族モノをTVで見る時に、｢この家族でもDVが起きていてもおかしくない｣と思わされてしまう。そこから、｢そして誰もいなくなる」まで一切テンションを落さずに引っ張るバランスは、絶妙。本物の解説インタビュー映像に加え本物の統計データも入るようになった。冒頭の明るい家族の映像が、全て見終わる時には、全く別の、気色の悪い映像に思えてしまう映像の妙。と、TVから情報を得る視聴者心理の妙。謎解きモノとしては、完全に捨てている程に注意深く見ていなくても、オチは明確。それ故、メッセージ性が一気に高まっている。
エンドロールでの俳優クレジットを撤廃したため匿名性が高まっているのだが。長女を演じたあの役者は誰？という、俳優を探すサイトが出来るなど、萌えるキャスティングも見事。
