アカルイミライ/115分


アカルイミライ

[スウィートホーム]から13年、ついにカンヌでパルムドールにノミネートした<黒沢清>(結局、不評だったらしい)の最新作は、ホラーじゃありませんでした。不器用で、人生の目的も見出せずイライラする青年<オダギリジョー>が、穏やかながら内に狂気を帯びた同僚<浅野忠信>との交流を通して、成長していく姿を描いた青春映画。全編、デジタルビデオで撮影した映像は、とても印象的で若者の心を表すには最適かも。今後、流行りそう。くらげ=若者(ふわふわしてるけど毒を持ってる等)という暗喩はベタベタでちょっと恥ずかしい。殺されるおやじが元全共闘なのは、黒沢世代には象徴的なんだろうけど、コレを見る世代に届くだろうか?コレを見て思ったんだが、おっさん(監督)から見る若者って、実は、存在しないんじゃないか?当の若者はこの雰囲気に共感しちゃうかもしんないけど。俺の印象では、言いたいことがハッキリしてて、好き嫌いを聞いて欲しい若者の方が多い気がする。どうしていいか分からない、不安でイライラしているってのは、最近じゃカッコ悪いんじゃないかな?彼が、社会的に成長していくというモチーフに、夢で未来を見るなんてのは、希望じゃなくてただ分裂気味なだけだろ。不用意に、二つの世界を描くのは止めて欲しい。 逆説的な、アカルイミライってタイトルもウザイ。THE BACK HORNのEDテーマがよかった。