フジファブリック / FAB FOX


FAB FOX

ロングセールスを続ける1st[フジファブリック]以来、約1年振りの2ndアルバム。前作で発揮された変態性は、より濃縮されフジファブリックのカラーに消化されている。進化した演奏力に裏付けされた表現力によって、楽器とぶつかりがちだったメロディが格段に光っている。全体の構成も抜群で、とても聴きやすい。 OPを飾るキラーチューン「モノノケハカランダ」から、ファブ流王道ロック「Sunny Morning」への流れは鳥肌物。前半のハイライト、きらきらひかる壮大な「銀河」、気持ち悪いアレンジと、独特の節回しが、何故か心地良い「唇のソレ」。 DEEP PURPLELED ZEPPELINを彷彿とさせる、重圧なHR/HM「地平線を越えて」や、 BLOC PARTYばりのニューウェーブリバイバル「マリアとアマゾネス」はバンドアンサンブルの一体感を現出させる。ギター山内総一郎作曲「水飴と綿飴」によって、志村正彦のワンマンバンドのままでは、見せなかったあろう側面を開花させたかと思えば。フジファブリックの要でもある、キーボードの音色が「雨のマーチ」「虹」を始めアルバム全体で様々な表情を見せる。そして最後を締める、彼等の代表曲「茜色の夕日」。日本語ロックの怪作。これで同世代バンドから、頭一つ抜け出た。