ダーティハリー / 103分


ダーティハリー

最初に水泳中の女性を殺して、最後に水中で死ぬ犯人だったりとか(因果応報的な復讐譚?)。ゲイとかペドとか風俗とかキリスト教的に許されない、病んだアメリカ社会を象徴したネオンと、教会とか十字架とかあらゆる所にキリスト教を象徴しているっぽいモチーフがふんだんに包含されてたり、演出とテーマが有機的に絡み合ってて、何気に超丁寧な作りだったわ。聖書知らない僕みたいな人はちょっと分からない部分もあるかもしれないけど。
あれ、犯人ゾディアックじゃないすか、病んだアメリカを決定付ける印象的な事件ってことだと思うんだけど。えー全然知らなかったよ。なんかダークナイトっぽいとは思ったんだ。まー改造銃で(スタイリッシュにクールにモダーンにちょーかっけー台詞で)ぶっ殺すくらいだから、 70'sのアメリカはよっぽどストレスがたまってたんだろうね。法で裁けない悪かぁ。こんなに興奮する映画だとはなぁ。
光市の事件の最初の方の囲み取材のイメージが思い出されるね。オレ、あの人がクリントイーストウッドだったら、あの事件の見解180度違ったかもな。それだって何回もキリスト教のモチーフ使って、最後にバッヂ捨てて、ハリーって個人に思い責任を取らせてんだから。単なる映画だぜ?なのにニュース見ては、あんなクソ死刑だろ、とか簡単に言えないだろ?普通は。ハリーは自分のプライドと責任と尊厳で裁いてんだよな。死刑って法律で人殺すんだぜ?だから相棒のアジア人に日常に帰れつってんじゃん。やべーハリー超かっけーよ。ダーティハリーシンドロームって言葉の悪いイメージがあったから、逆に今だと気付く事が多い。純粋悪的悪役・聖書・時代のストレスって要素だけでも、ちょー現代っぽいテーマだよね。次は、日本版ダーティハリーとかみたいなぁ。日本だったら、ヤクザの落とし前の話になるのかな